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研究会の趣旨

リハビリテーションの変遷

2000年に回復期リハビリテーション病棟が制度化されて,20数年が経過しました.この間,同病棟は全国で着実に増加し,医学的リハビリテーションを集中的に行う病棟として,チーム医療の代名詞のように発展しました.同時に,超高齢社会と一人暮らしや老々介護や認知症高齢者の増加,少子化と人口減少などの多くの社会問題に対し,地域包括ケアシステムの推進が進められ,リハビリテーションや介護・福祉の提供体制において,急性期・回復期・生活期という大きな流れが整備されてきました.それとともに,従来の国際障害分類(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)への移行があり,これは障がいを従来の医学モデルで個人の問題として捉えていた枠組みから,社会モデルで障がいは困難さを抱える人々を取り巻く周囲の環境や態度の影響が大きいという枠組みへの大きな転換であります.

作業療法士の現状

 作業療法はその思想的源泉として,全人間的療法としての色合いを持ち,様々な後遺症を持つ人々の社会復帰に用いられてきました.総合的リハビリテーションに包含される医学的、社会的、教育的、職業的などのリハビリテーションに理念として最も近い考え方を持っているとも言われています.わが国では,作業療法士養成校の増加に伴い,2019年度には日本作業療法士協会会員が62,000人を超え,その70%以上が病院,12%以上が介護保険施設に勤務しており,その大半を占めています.そして,日本作業療法士協会は2018年度に作業療法の定義を変更しましたが,この中で「作業に焦点を当てた治療,指導,援助である.作業とは,対象となる人々にとって目的や価値をもつ生活行為を指す」と示されました.作業に焦点を当てた実践を行うことは,作業療法士の職業的同一性に関わる大きな内容ですが,それ以上に,障がいや高齢などによって自信や自尊心や生活への意欲を低下させてしまった当事者の方々で本来的な意味で回復を成し遂げた場合,主体的な作業の実行状況の改善によって可能となっている事実をさらに重視しなくてはならないと言えます.

​研究会の活動方針

 病院の作業療法部門における職場教育には組織によって大きな差異があるとされており,職場教育で作業に焦点を当てた実践について扱われることが少ない現実があります.また,作業療法においても,依然として,心身機能/身体構造の治療(生物レベル)にウェイトが置かれることが多く,個人因子の要因を重視した活動および参加を向上させる指導や援助,そして環境因子へのアプローチが不十分であるという問題は多くの専門家が提起することになっています.

 それに対し,私たちは対象者の主体的な作業の実行状況に着目して実践研究を行い,ツールやシステムの開発,研修や研究会活動を行っていきたいと考えます.

 以上のような問題意識から我々は「OPAT6(作業遂行6因子分析ツール)研究会」を設立しました.

​研究会役員

会長   小林 幸治(目白大学)

 

副会長  坂田 祥子(東京湾岸リハビリテーション病院) 

 

理事   清水 裕勝(鵜飼リハビリテーション病院)

     池田 隼也(鵜飼リハビリテーション病院)

     徳井 大知(ソフィアメディ千種ステーション)

     上野 佳美(やわたメディカルセンター)

     西田 紘規(やわたメディカルセンター)

     田平 貴也(三九朗東リハビリテーション病院)

     邨瀬 卓哉(すまいる訪問看護リハビリステーション)

     木村 成男(一宮西病院)

     松林 大成(国立長寿医療センター)

 

 

顧問   森田 秋子(鵜飼リハビリテーション病院)

     後藤 伸介(やわたメディカルセンター)

 

監事   春原 則子(目白大学)

     

 

事務局

 

事務局長 池田 隼也(鵜飼リハビリテーション病院)

 

総務   田平 貴也(三九朗東リハビリテーション病院)

 

会計   清水 裕勝(鵜飼リハビリテーション病院)

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